#7日間ブックカバーチャレンジ
DAY6
生産性(伊賀康代著)
■あらすじや概要
かつて日本企業は生産現場での高い生産性を誇ったが、ホワイトカラーの生産性が圧倒的に低く世界から取り残された原因となっている。生産性はイノベーションの源泉でもあり、画期的なビジネスモデルを生み出すカギなのだ。本書では、マッキンゼーの元人材育成マネジャーが、いかに組織と人材の生産性を上げるかを紹介する。(amazonより)
■選書理由
この本の問い掛けである、生産性って一体何なの、というところから仕事の本質を考えるようになった。この本の冒頭に書いていた、「自社の採用基準を満たす10人の新卒学生の採用を目指す企業にとって、最も生産性が高い状況は最終的に入社をする10人だけが応募してくることです」という一節から、早速引き込まれた。何故なら一社目で採用をやっていたときには「応募者数の拡大」みたいなことばかり考えてしまっていたから。
応募者数を闇雲にでも増やしたい~というのは、応募者が増える→いい人も多いだろう→いい人を採用出来るだろう という考えがあってのことだけど、自分がやりたいことに対するストレートな打ち手ではなかったな、と。
本当に大切なみきわめて、打ち手を考えるべきだ~というのは言葉にして言えば凄く当たり前のことだし、多分この本を読む前から意識していたことだけど、「じゃあ自分が生産性高く取り組めているか」「そもそも最高に生産性が高い状況を追い求められているか?」ということは全く出来ていなくて。
今やっている人事制度を作る仕事は、まさにこの生産性を意識することの塊みたいなもんで、「企業における最高の生産性の状態を考える」→「行動レベルに落し込んでいく」→「等級定義や評価基準として形作る」というのが基本線なので、この本が仕事スタイルの基本を作ってくれたとも言える感じ。
で、この本の凄いところは単純に生産性って大切だよーというところに留まらず、生産性を高めようという取組みをするときに出てくるであろう間違いを先回りして指摘してくれているところ。
これは経営企画の時も人事制度の時もよく見た間違いなのだけど、生産”性”という、割り算で表されるような指標を目標にしたときに、分母を削減する活動に走ってしまいがちだというところ。 例えば、会議の時間を減らそうとか、労働時間を減らそうとか。 でも、分子を拡大する方向の検討もすべきなわけで。 現会社に入るまでは、売上がめざましく増えるような事は無かったので、コストを減らす発想が強化される前に否定してくれていたというのも自分に合致したなと思う。
■読者にどんなメリットがあるか
これまでの数冊で、仕事の本質を見極めて打ち手を考えよう、というテーマの本を紹介してきたけど、これは更に読みやすくて、実務でどうするかということがイメージしやすい気がする。
トップコンサルティングファームの仕事のお作法も垣間見れる。
■好きなフレーズ
日本と米国の組織を比べたとき、リーダーシップと生産性以外には、その人材力や組織力を左右する決定的な要因は何もない