くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

経営戦略と人事戦略の関連

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本記事は上記連載の第一回です。

 

 企業は将来ありたい姿に近づけていくために日々の活動をしています。例えば、売上を今の倍にしたいとか、数十年後もこの企業として生存し続けているとか。

 成長するにせよ・現状維持をするにせよ、同業他社との競争に成功する必要があります。「競争に成功するために個別企業が持つセオリー*」を経営戦略と言います。

 *ジェイBバーニーが企業戦略論で行なった定義

 そして、競争に成功するために、経営資源(ヒトやモノやカネや情報)をどう使っていくか、ということを考えているわけです。それぞれの戦略のことを機能戦略と言ったりします。

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機能戦略の中の人事制度の位置づけ

機能戦略の例

 例えば、モノだと「良い物を作るために資材をどうやって調達するか」「調達したモノをどうやって作るか」「どうやって販売するか」ということになります。
 カネなら、資金をどうやって調達するか(自己調達?借入?)ということになります。情報なら、研究開発をするとか、情報を買ってくるとかいうことになるわけです。
 これらと並んで、敢えて表現を選ばずに言いますが「ヒトをどうやって調達し、どうやって活用するか」を考えるのが人事戦略です。

 

機能戦略の整合性が重要

 当たり前ですが、ヒト・モノ・カネ・情報の各機能戦略の整合性が取れていることが望ましいです。
 例えば、「多少高くても良い物を売る」と考えていてもそのための材料を買ってこれなかったら計画倒れに終わります。

 また、「研究開発をするぞ」と思っていても、研究開発に必要な資金を調達できないと意味がありません。

  株主への配当を厚くする、と考えていても、販売戦略が出来ていなければ実現できません。

 このように、「各機能戦略間の整合性が取れていないと効果が得られない」というのはモノとカネと情報のところでなら割と理解はしやすいです。

 しかし、ヒトに関する戦略の部分はかなり曖昧になりやすいです。

 

人事戦略の整合性が取れていない場合とは?

 人事戦略と他の戦略が取れていないケースは以下のような場合です。
 自社は研究開発に力を入れていきたいと考えているのに、研究者を冷遇するような人事戦略を採ってしまっている。(例えば管理職にならないと給与は600万円が上限とか)
 新規顧客開拓をしていきたいと考えているのに、新規顧客開拓を促さないような評価体系になっていない。(単年度の売上で評価するため、新規顧客開拓のように成果が出るまで時間が掛かるようなことをすると評価が下がる)
 良い物を仕入れたいと考えているのに目利きが出来るような人が居ない・研修が無いなどの場合も同様です。

 「人事戦略は、モノ・カネ・情報等の戦略を下支えする戦略だ」と位置づけておくと判りやすくなると思います。

  モノ・カネ・情報の各戦略を上手く回すために人が居る、という考え方ですね。

 

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経営戦略の中の人事制度の位置づけ



次回は人事制度の全体像について解説します。