くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

「効率化」にはワナがある(働き方改革無料セミナー第1回(全5回))

最近働き方改革が叫ばれるようになってから結構経ちます。先日もとあるツテでRPAのセミナーに行ってきました。RPAはRobotics Process Automationの略で、特定の業務プロセスをロボットにさせてしまうことで、人間がやるより圧倒的に早く終わらせることが出来る!という夢のような技術です。 クライアントとお話をしていても、結構「うちも働き方改革するために、まずRPAっていうのを始めようと思ってるんです~」というようなことを聞くことも増えてきました。 皆さんの会社でもやってたりするんじゃないでしょうか。
 
というわけで、これから何回か働き方改革の進め方について書いていこうと思います。
 

「効率化」のワナ

突然ですが、働き方改革において、最初に効率化を考えると失敗します。
しかし、「働き方改革をせよ」と言われると、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「業務の効率化」です。
 
たしかに、業務を早くできるようにする、というのは非常に判りやすい解決策です。それがなぜだめなのでしょうか。
 
今回は、
「受注実績と目標進捗のレポートを毎日作る」
という業務を例にとって考えてみます。
この業務をやるなら、以下のステップが考えられます。
1.実績数値を会計データから拾ってくる
2.会計データを補足する情報を転記(お客様コード0001 に対して 山田商店 と転記するとか)
3.Excelを使って情報を集計
4.フォーマットに貼り付け
5.表の形を整える・グラフにする

 

どこの会社でも割とまあよくある事務作業です。
 
ここで、早くする方法を考えると例えば以下のようなことが思いつきます。
・みんなで分担できるように、マニュアルを整備しましょう
・コピペの作業を早くするため、マウスじゃなくてキーボードショートカットを使おう
・転記をするときにExcelの関数やaccessを使えば良いじゃん 

 

どれも業務を早くするということにかけては正解の答えです。それぞれレベルの差はあれど、業務の迅速化には繋がります。
そして、上記の改善を全て機械でやってしまえば更に早くなります。Office等だけですむならマクロを使えば良いですし、それ以外も使うならRPAと言ったりします。
 
こうすれば毎日2-3時間掛かっているような業務が、なんと1分掛からない時間とかで出来たりします。
「時給1,500円だとして一日4500円、月あたり90,000円の削減やー!RPAはエンジニアに作らせたけど、数ヶ月で回収できるやんけー!」
 
めでたしめでたし。
 
しかし、そのレポートを受け取る担当者に聞いてみるとこんな回答が返ってくることがあります。
 

「そもそもそのレポート読んでない。」

 
嘘みたいな話ですが本当にあります。あんなに一生懸命作ったのに。
 
このように、業務の中には実は不必要なものが結構あったりします。「念のため」に作られる資料はその最たる物です。
 
 
「やらない」ことと「早くやる」こと、どちらが短時間で終わるでしょう
・・・なんて、敢えて問い掛けるまでもありませんね。やらなくてもいいことをどれだけ早くやっても無意味です。幾ら高速だろうが高品質だろうが、不要なものは不要なんです。
そして、RPAを含む効率化は、今やっている業務のアウトプットは変えずに、作業を早くしようということなわけです。
 
だから、まず「効率化」を考えると、だいたいの場合失敗します。
 

効率化より先にするべきことは「業務の棚卸」

業務の効率化に取り組む前にやるべきことは業務の棚卸です。 あなたや、あなたの部署のみんなが何をやっているのか。そして、どの業務に何時間かかっているのかを全て書き出す訳です。書き方はExcelとかで構いません。1年あたり何時間なのかも書き出しておくと良いです。
 
そして、それらの業務に対して、「本当に必要な業務か?」と問い掛けていくんですね。
 
ポイントは、その業務の納品先に聞いてみることです。本当に使っているのか、どうやって使っているのか、どれぐらい重要なのかをヒアリングしていきます。
そして、要らなければ止めてしまう、ということです。
 
場合によっては、こう問いかけてもいいかもしれません。
「この資料作成には三日掛かっています。私の給与から考えるとこの資料は〇万円です。いま、この資料が存在しないとして、〇万円で買いますか?」
 
 

今日のまとめ

働き方改革は、まず業務の棚卸から始めよう!