くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

トレードオフ思考を身に付け、選択に覚悟を持とう

最近、優先順位付けについての研修を行ないました。今日はちょっとその話を。

 

皆さんは普段の業務をどんな順番でやっていますか?

・仕事を依頼された順番に取り組む?
・期日が迫った順に取り組む?
・成果が出そうな順?

しかし、どれも不都合が出そうです。

仕事を依頼された順番に取り組んだら
 →先に依頼された仕事の納期が一ヶ月後・後に依頼された仕事の納期が今日中でも、先に依頼された仕事を先にこなすの?
期日が迫った順に取り組む?
 →至急対応願いますと書かれたどうでも良いメールの対応もするの?
成果が出そうな順?
 →試験前に部屋の掃除をする必要がある?

 

意思決定のマトリクス

そんなときに、優先順位付けをするための考え方として、重要度・緊急度でマトリクスにするという考え方があります。割と有名なので知っている方も多いかもしれません。

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重要度でも判断しましょうというと、「大事では無い仕事なんかない!全て大切だ」と言う方がいます。ちょっと古いですが、踊る大捜査線で青島さんも「事件に大きいも小さいも無い」みたいなことを言っていました。
しかし、全ての問題の重要度は同じでしょうか?

有名なのは、災害現場でのトリアージという考え方ですね。トリアージとは怪我をした人にタグをつけて、治療の優先度をつけるわけです。
大きな企業であれば防災訓練の時に自社内でやれるように訓練したりしていますね。

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これがなく、運び込まれた順番でのみ対応していると、軽傷者を先に対応して、今すぐ対応すれば助かる人を放置してしまうことになります。
女性や子供だからといって先に対応していると、死なずに済む男性を見殺しにしてしまうことになります。

このように、優先順位をつけると言うことは、限られた資源を効率的に配分することで、最大限の成果を出そうという考え方に他なりません。

実際の業務で考えると以下のようになります。

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色つきの四角は仕事のタスクをしめしています。
普段の生活の中で意識する・しないにかかわらず、一日ではこなしきれない膨大なタスクからいくつか選んで自分の箱の中に入れているわけです。

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当然、自分がこなせる量は決まっているのでどれかをとり、どれかを諦めなければなりません。
例えば、「利益率20%の業務A」「利益率2%の業務B」(AとBはその他の条件は同じ)があって、自分がどちらかしか選ぶことが出来ないなら間違いなくAを選びますよね。
このように抽象的に考えると、「重要度の高い箱で自分の時間を埋めないと損だな」と気付くことが出来ます。
しかし、箱のイメージから、実際の業務名に置き換わり始めると途端に重要度のランク付けが出来なくなってしまうケースが見られます。

 

トレードオフ思考

そんなときに、身に付けておくと良いのがトレードオフ思考です。(ここからが今日のサビ)

トレードオフは経済学用語ですが、「片方を手に入れたら、片方を諦めなければならないという状況のこと」です。


例えば、
「新しいパソコンを買うため、貯金をしている人」は、パソコンを買うという目的のために普段であればしているであろう外食や友人との約束を諦めている ということになります。

「複数引合いが来たが、生産余力的に1社からしか受注できないため、馴染みのA社から受注した人」は、新規取引先からの受注や既存の顧客B社からの受注を諦めています。

「残業をすることにした人」は、家族サービスや飲み会、自己研鑽のための時間を諦めています。

「Aさんと付き合うことにした人」はBCDE・・・・さんなど、Aさん以外の人と交際することを諦めています。

「貯金で茨木市にマイホームを建てた人」は、茨木市以外での生活を諦めていますし、旅行なども諦めているのかも知れません。

「資産形成を投資型マンションで行なうことにした人」は、株式投資・債券などでの投資や、現金を保有することでの安心感を諦めたのでしょう。

 

このように、選択をするということは、選ばなかった全ての選択肢を諦めた、とも言えます。選択をすることは捨てることでもあるわけですね。
では、捨てる為にはどうするかというと、やっぱり自分の中での重要度や緊急度などの軸で判断をするわけです。一定の理屈がないと捨てられないですから。


自分が今やっていることのなかで重要度の低いことは何か? それを追い出してもっと重要度の高いことにシフト出来ないか?
既にやってしまっている業務をいきなり捨てることは難しいですが、「仮にこの業務がこの世に存在しないとして、改めてこの業務を始めるか?」と考えると捨てやすくなるかも知れません。

 

ちなみに、「選択をする」ということのなかには「選択をしないことも選択に含まれる」ということも意識しておく必要があります。
例えば、「職業を選択をするのが嫌になったので、家の中で何もしないことにした人」は、働くことで得られる生活や自己実現、遊びに行く機会などを諦めています。
要するに選択からは逃れることが出来ないということです。

 

どうせやるなら価値のあることをやりましょう。というお話でした。

 

中小企業診断士・人事コンサルタント 山本遼