くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

就活生向けエントリ(PREP法について)

※本エントリは私の出身大学のゼミ生に伝えている内容を一部加工して再掲しています。

 

今回は文章の書き方、PREP法についてお伝えします。(結構有名なんで、知ってる人が多いかも)


それほど大きい会社でなかったとしても、まあまあの人数の応募がありますし、読みやすかったとしても、その全てを読むのはきついのに、読みにくいのも多く、読みやすいだけで好感度は爆発的に上がります。また、就職活動以外でも使えることのできるテクニックなのでこれを機に学んでおくと良いです。

 

PREPは、point reason example pointの頭文字を取っています。
まずはpoint(結論)を書いて、次にreason(理由)、example(例)、最後にもう一回pointを書くという流れですね。

 

最初に結論が来てるので、読む側は「今からこの結論の話が来るんだな」と考えて読めるから、理解しやすい。採用担当者の中には、一文目だけ読む人、というのも存在しますので、そういった場合にも対応することが出来ます。

 

次に「なんでそういえるのか?」の理由を説明します。
ただ、それだけだと「本当に?」と思うので、exampleで、何個か事例を説明して、最初の結論(言いたいこと)を強化する。
最後にもう一回結論を言って、相手にだめ押しをする、というイメージですね。

 

具体的には以下の様な形式になります。

私は○○です。
なぜなら××だからです。
たとえば△△といったことがありました。
以上から、○○と言うことがいえます。

 

ESだと、

「私は知的好奇心が旺盛です。なぜなら、新しいことを学ぶことに喜びを感じるからです。たとえば、大学の授業では○○、ゼミで××、サークルでは△△をしてきました。そのため、私は学習を継続出来ます」

みたいに書く感じです。

 

■Pointを書く理由

なんでpointを書かなければならないか。exampleとして、エピソードだけ書けばいいじゃん、と思う人も居るかと思います。

結論を明記する理由は、「受け手にこちらの言いたいことを確実に伝えるため」です。書かないとどう伝わるか判ったもんじゃないからですね。

例えば「会計をもっと深く学びたいと考えて、厳しく育てられるゼミを選択して簿記の資格取得などをはじめとして色々と学んでいる」人がいた場合、この話だけ聞いた初対面の人は「勉強熱心だな!」と思うこともあれば、「この子は会計で生きていきたいのかな?」と思うこともあります。

もし、会計と関わりの強くない業界・職種(人事とか営業とか)を志望していて、「私は知識の習得を頑張れる」と言うためにこのエピソードだけを話すと、「会計志望者がひやかしにきた」等、思いがけない取られ方をすることがあります。

「私はサークルで部長をしており、人数を増やすためにチラシ配りをしたりレクリエーションを企画したりしました」等でもそうですね。すごいけど何がいいたいのかがわからない。二年間陸前高田市でボランティアしてた、でもです。

相手との認識差を生まないために結論を書きましょう、ということでした。

 

(この項目はPREP法に従って書いてみました)

 

■Pointをわざわざ書くのは何故か

「私の素晴らしさを理解できない人事が居るならば、その人事がバカなんだ」と言いたい気持ちはごもっともです。
もし仮に、あなたの素晴らしさを判らない人事がバカであることが正しかったとしても、バカな人事に落とされたならば、みなさんがやりたいと思った仕事につけない、ということもまた事実。
相手がバカでも、それに合わせた書き方をして、自分の目的を達しないと意味がないわけですね。

 

■PointとReasonの繋がりが甘いと説得力が落ちる

結論を書くことについて、だいたいの人は結論めいたものが明記されていると、RとEを適当に読み飛ばすので、論理的にやや怪しい繋がりをしていても気付かないですが、(テニサーに所属していたからコミュニケーション能力がある・海外旅行が好きだから国際ビジネスを志望している など)Pの説明をRとEが出来ていなかったことが見抜かれた場合、あなたのESの信用度が大きく低下するので、注意が必要です。


■Reasonのチェックを怠らず

ESを書き終わったら、友達と見せ合いをして、本当に問題ない文章か?を確認しましょう。確認を依頼された側は、本番で大恥をかかせないためにも厳しいチェックは重要です。その際のチェックポイントは「Rな人は全員Pと言えそうか?」という支店で見ることが大切です。上記の例なら、「海外旅行好きな奴は全員海外ビジネスが出来ると言える?」と考えるってことです。(確実に足りないと思います。これ以外にどんな要素があれば海外ビジネスが出来る(出来るようになる)と言い切れるでしょうね?)これを考えてみると良い文章になりそうです。


■就活におけるExapmpleはEpisode

就職活動における自己PR文章で使用するべきはEpisodeです。 こういうことがあったので、私は○○と言えます というようなことです。
では、何故episodeを語らなければならないか(面接官が応募者にepisodeを聞くのは何故か)

それは、「出来る」「やりたいと思ってた」と言う言葉には信頼感がないからです。昔から、日本では能力評価といって、能力のある人を高く評価しようという考え方があります。
それは、ある意味では間違っていませんが、「今は能力が発揮されていないけど、あの人はきっと出来るだろう」と解釈され、いつの間にか年功序列の隠れ蓑(かくれみの)になってしまいました。年上の人を高く評価したいから、能力は発揮されていなくても能力があるということにして評価したってことですね。

バブル後あたりから、「いや、能力の有る無しは内面のことだから、他人は評価できないよね」という意見が出てきて、「行動として現れて初めて能力があると測定しよう」となったわけです。

今の日本の人事評価もだいたいこの考え方に基づいています。コンピテンシー評価というのもこの考え方に基づいています。

そういうわけで、「出来るかどうか」ではなくて「やったかどうか」を確認するために、今までの行動を面接で確認するようになりました。


・今まで苦労したこと
・今まで頑張ったこと
などの質問はこれです。
・あなたの強みを教えての後に「それをどんなシーンで発揮しましたか?」と深堀するのもこれですね。

 

実際の行動を測定するには一緒に働くというのが一番分かり易いですが、(だからインターンシップからの採用というのもある)そうもできないのでグループディスカッションとして会議の場を擬似的に再現する方法も採られます。

エピソードで裏付けする重要性はわかってもらえたでしょうか。

 

■エピソードを具体的に

次は、エピソードは具体的に!ということをお話します。

前の項では、面接官は応募者の「能力を確認するための裏付け」としてエピソードを聞くのだということをお話しました。

相手に伝えるためには面接官が想像しやすいようにしてあげる必要があるんですね。「確かに」と思わせたら勝ちです。
なので、抽象的だと相手が想像できないからNGです。「私は大学でいろいろ勉強しました」ですね。これは短大生とかがよくやるパターンに思います。

 

同じように、「二年間海外でボランティア」なる、素晴らしい・凄そうなエピソードならいいのか?というと、そうでもありません。何をどのように頑張ったのかわからないからです。あと、これだけだと仕事にどうつながるのかがわからない。自己分析とかやってると、ついつい「自分なんてすごくない」とか「インパクトがない」とか思うかもしれませんけど、就活で話すべきことは「だから御社に貢献できる」のみなんですよね。ドラマとかでもSFより人間ドラマの方が共感できますしね。
あと、なんか人の自慢って聞いてて楽しいもんでもないので、エピソードが小さいからって悲観しなくて良いです。面接官が想像しやすいように伝える。これがポイント。

 

■エピソードを3個話す理由

さて、なぜエピソードを3個用意するのか?それは、人間3個例示されると「全部そうに違いない」と思ってしまうからです。

たとえば、以下の数列()には何が入るでしょう?

5・10・15・() 

 ほとんどの人が20って即答してくれたことと思いますけど、別に16でもいいですよね。左より右の方が大きいってルールかもしれないし。
これがさらに

「私は5の倍数が好きです。5も好きだし、10も好きだし、15も好きだし、、、」

とされると、「どうせ20も好きなんでしょ」となるわけです。例外的に20嫌いかもしれないのにね。考えもつかなくなっちゃう。

 

一つの場合だとこうなります。

1・() 

 これだと、何がくるか分かりませんよね。有理数かどうかすら怪しい。

 

二つの場合だと

2・4・()

 6?8?ってなりますよね。(2飛びで来るのか倍になるのかはわからない)

 

だからエピソードは3個。

 

それぞれ全部語りたくなるとこですが、ESでは簡単に例示しておくぐらいでOK
「私は会計を学びたくて○○ゼミを選んだ」「財務会計の理論と実証を精読した」「USCPAも取得見込み」
こんな感じでやると、会計好きなんだなぁとなるわけです。

それだけだと一つ一つが抽象的になってしまうので「この中でも特に印象的だったUSCPAでの話を記載します。~~」としておくと良い。

必要があれば面接で他のエピソードについて聞いてくるでしょう。聞かれなかったら面接官はもう「証拠十分」と思っているのでしょう。

て、なわけで、エピソードを3個用意しなければならない理由がわかったでしょうか。

厳密には3つでも完璧というわけではないし、4つ・5つの方がより説得力が高いですが、同じような話を何個も何個も聞いてくるケースはあまり多くありませんので、費用対効果的に3つぐらいにしておいて、内容を深めておく方が良いと思われます。

 

■PREPの補足

・「PRE」までは書いた方が良いですが、PREPの二回目の結論は文字数制限に合わせて省略してOK。ESは200-400文字ぐらいであることが多いので、文字数が足りなくなることが多いからです。
・また、E(例)は、ビジネス文章や、論文なら3つ並べるのがセオリーですが、これもESの文字数の関係でいくらか端折ることになります。ただ、目次レベルの短さのものを3つ書いて全部薄くなるぐらいなら、一発濃いやつを使った方が効果的になります。

 

というわけで、PREPについてでした。 ちょっと長くなりましたが、非常に重要なテクニックですので、是非覚えてもらえたらと思います。