くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

採用選考の通過率を上げるための戦略について(就活生・転職者向けエントリ) 4

続きです。
 
自己PRのネタが揃った後どうするか、について。
やっとの思いで自己PRのネタをそろえた、でもこれが相手に伝わらないと意味が無いわけです。まずはエントリーシート職務経歴書・履歴書に記載する自由記述欄が該当します。面接で訊かれるのも記載した内容の深掘り、あるいは別エピソードの依頼であることが殆どでしょう。採用する側として感じてきたのは、こういった書類選考の書類をちゃんと書いたほうがいい、ということです。
 
自身の希望欄以外は、全て「だから御社に貢献できる」という結論に繋げるつもりで・相手が想像しやすいように書く。これに尽きます。
採用は「会社に貢献できそうな人材を獲得する」ということが企業にとって主眼に置かれている以上、「私は御社に貢献できる」と記載する以外の結論はありません。このネタ選びについては既に今までやってきたとおりですね。
そして、「相手が想像しやすいように書く」ということについて。書面でも面接でも、相手に対するコミュニケーションなので相手に判りやすく伝えるのは必須です。売り手市場といえども、やっぱり売り込んで行くわけだからそこは判りやすく書いている人の方が優先されるのは自然な感情。忙しい人にカレーを売りたいときは、具材だけを売るのでは無くて、調理して渡したら売れやすくなりそう、そんな感じです。
 
具体的だからといって良いわけでは無い
 
選考で回答する内容は抽象的ではだめです、という指摘は様々なところで成されていますね。新卒採用でよくある「●●学部に所属し、様々な授業を受講してきました。」等、様々な~とか、色々な~といったように曖昧な言葉を多用しているケース。具体的に想像出来ないので、受け手が処理に困ってしまうというものです。一方で、具体的ならばそれでいいのかというとそうとも言い切れません。例えば、中途採用などでよくあるのは、「2012年4月~2017年12月●●会社生産加工現場配属 1日1,000個の加工を担当」と言ったような担当職務のみを書いて終わっているケース。どんな会社でどんな業務をやってきたか全然想像つかないパターンです。職務の凄さが判らない(新入社員でも出来るの?社内でも居ないレベルなの? 元々出来たの?努力をして為し得たの?)・自社の業務にどう活かせるのかがわからない(加工の業務は出張修理にどう活きる?)といった問題があります。
 
このように、前職でしか通用しないような言語で記載されていると、受け手は翻訳をしなければならず、理解に大変な努力を強いられることになります。ある程度なら受け手の歩み寄りは必要になるんですが、「めんどくせぇ」と思ってしまうと、もう内容は頭に入ってきませんし、会う前から「この人は少し大変な人だ」と先入観をもってしまうことになります。
 
じゃあ、大変そうで数値が入っていればいいのか?ということで「今まで営業で●百万円売り上げてきました!」「前年比3%UP!!」と言われても、これもお互いに使用する言語が違うのでよくわからないですね。●百万円の売上って言っても、新規とルートでも違うでしょうし、代理店販売と直接販売でも違いますしね。前年比3%UPも判断つかないですよね。貴方の販売能力が向上したのかもしれないけれど、市場が拡大した(業界全体が売れるようになった)のか、同業他社が何らかの理由でしぼんだのか、自社の製品で新製品が投入されたのか。結果・数値だけではわからない。
 
何をどうやって結果の改善に繋げたか、今までの担当業務はどんなもので、新しい職場のどういう業務に活かせるか。過去の実績を分解して、相手の理解しやすい形にする行為が大切です。「顧客に自社製品の良さを伝え切れていないことが課題だったので、同業他社製品との比較表を作成し、顧客にセールスポイントを訴求するようにしました。その結果、市場が縮小する中売上の●万円向上につながり~」のように。この文章で相手がどんな人かを完璧に理解することは出来ませんが、「面接で訊いてみようか」という気持ちにはなりますね。
 
じゃあどこまで具体的にすべきか?というと、業界によるとしか言いようがありません。同業界・同職種での転職だと相手もある程度知っているのでむしろ専門用語を説明無く入れている方が理解度を伝えることが出来るでしょうし、全くの異業界・異職種、あなたの専門が一般的に知られていないようなものであったなら、過剰だと思うぐらい詳しく書いた方がいいケースもあります。そこのさじ加減は、自分の職務経歴書なりESを他社の知り合いや別学部の友人に説明してみて推し量っていけばいいと思います。
 
長くなってきたのでこの辺で。