くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

採用選考の通過率を上げるための戦略について(就活生・転職者向けエントリ) 2

前回の続きになります。

前回は「企業は能力がある人が欲しい」という話を書きました。

 
 
企業では採用に当たって事前に、求める人物像を設定しています。例えば先の「 国内顧客の事務所に設置されているコピー機を出張修理する担当者 」の例で言うと、
・短期的には運転免許必須・顧客に嫌な思いをさせない程度の会話力(提案も出来ればなお可) ・機械の内部構造を理解出来る・・・等が想定されますね。
・長期的には、その会社が全国転勤をさせるようなキャリアパスを想定しているのならば、転勤可能(前向き)といったことも要素に含まれそうです。
 
また採用担当者目線で考えてみてください。既に想定していた要素を全て満たす人が一人だけきたら内定を出せますよね。一方で、「顧客に深いな思いをさせるような話し方をするけれども、元甲子園出場の左腕投手」とか来たら、凄いけど流石に違うよね、と判断すると思います。草野球チームになら即スカウトするんですけど。
 
ということは、採用面接を受ける側に戻って考えてみると、相手の想定する要件を明確にした上で、貴方が全てそれに合致し、伝えることが出来れば内定が出るわけです。というわけで、貴方の受けようとしている企業の人材要件の情報を手に入れる必要があるということがわかりました。
 
では、企業が設定している人材要件はどうやって仕入れるか。”企業から発信されている情報を探す”です。中途採用など配属先が明確に決まっているような企業の場合は求人票に記載していることが多いですね。転職エージェント経由で転職活動をしているのならば、エージェントに聞いてもOKです。エージェントは事前に企業の人事担当者に会って人材要件をある程度聞いていますし、エージェントとしても高い年収での内定を早く出して回転率を上げるということが彼らのインセンティブに繋がりますので、内定が早く出るようにする取組なら基本的に教えてくれます。
 
企業の人材要件が見つからなかった場合はどうするか。私は、企業は採用基準は公開しておくべきと考えていますが、中にはどうしてもそれに合致するよう自分を偽る・盛る方もいらっしゃるようですので、出ていないケースがあります。特に新卒採用などの場合は職種を限定していないことも多いので、会社説明会等の場面で、採用の背景や活躍している人物像などを質問してみればよいと思います。または、新卒採用の情報サイトの、先輩社員紹介などのページで活躍している人のインタビューなどから類推するなどもアリです。
社員インタビューのサイトや先輩社員懇談会に出てくる先輩社員の仕事ぶりから類推するという方法は、確実では無いものの、企業は数多居る同部署の社員の中からその人を選んで広告塔として起用しているわけなのであるていどの確度は期待出来ます。(ただ見た目が良いという理由で起用されることもありますが)
 
人材要件を特定する場合は、曖昧な言葉で終わらせないこと。「やっぱり、コミュニケーション能力のある人ですね」等の回答は簡単に得ることが出来ますが、コミュニケーション能力といっても、読む・書く・聞く・話すのどの能力を求めているのかによって大きく異なります。
 
話す能力を求めているにしても、ある程度決まった内容を話せばよいのか、その場その場で提案することができなければならないのか。怒った相手をなだめることが多いのか・初心者に平易な言葉で使い方を教えてあげるのか。押しの強さを発揮しなければならないのか、相手の気持ちに配慮して信頼関係を築かなければならないのか。ここまで丁寧に教えてもらえたらしめたもの、教えてもらえなかったら仕事のやり方などから類推すればOKです。
 
「サークルの部長をやっていたので友達の多さには自信があります!」という売り込みも、高齢者向け商材を取り扱う企業にとっては、やや朴訥としていても丁寧に話をする人を求めていたというケースだってあります。話す能力があるにしても、どんな相手と話すのが得意なのか・どういうシチュエーションで話すのが得意なのかが異なるため、受けたいと思う企業の業態や営業スタイル、成功している人の要因などを分析して、自分の強みの中から、それに合致した要素を選択してアピールしていくこととなります。
 
実際の企業では、そもそもここまでの人材要件を定義できていないケースもありますので、採用担当者が言われて初めて言語化して意識するということもあります。そうなると、採用担当者の想定している”出来る人”と、最終面接などで対峙することとなる役員などの想定している”出来る人”との間に乖離が生じることがあります。これが、一次面接は通るのに最終で落ちるといったことや、今まで一次面接でたくさん落ちて来たがやっと掴んだ最終面接はすんなりと通ったなどの現象を引き起こすこととなります。
 
※役員が日常的に仕事で相対するのは部課長などある程度のベテランであることが多い一方で、採用担当者は現場のエースなどを想定して話をするため
 
 
少し長くなってきたので一旦このあたりで。