くちばしコンサルティング

人事や経営を学べるブログ。中小企業診断士・人事コンサルタント山本遼が書いています。

サッカー選手をキャリア選択の参考にするということ。(ガンバ大阪井手口選手のリーズ移籍に寄せて)

僕はガンバ大阪のサポーターである。ゴール裏で応援し続けて十数年になる。

サッカー観戦の魅力は本当に多い。試合の面白さはもちろん、スタジアムにある屋台での食事、選手を応援することを通じて自分も勇気づけられる・・・など色々あるけれど、キャリアに関して選手の考え方というのに触れられるのも大きい。

 

一昨年ぐらいから注目していた井手口陽介選手が今回海外リーグに移籍することになった。日本代表でもゴールを決めるなどしているので、Jリーグに馴染みのない方でも知っている人も多いのでは。 1試合12kmほど走ったので(ふつうは10kmほど)、ヒーローインタビューでレポーターに「凄い運動量でしたね!」と言われ、「たまたまです」と答えた強者である。 たまたまで12kmも走るらしい。

そんな彼がついに海外に”バレ”てしまい、海外に移籍することになった。

headlines.yahoo.co.jp

 

ひとりのサッカー選手として、自身のサッカー人生をより理想へと近づけるために必要だと思う選択をしたかった。

「2016年の後半戦から、コンスタントに試合に絡めるようになってきた中で、正直、去年の夏頃から日本でプレーする自分に疑問を持ち始めました。というのも、Jリーグの上位クラブと戦うときは別として、それ以外の試合ではなかなか『やりきった感』を持てなかったから。というか、ほとんどの相手に対して、明確な『やれる』という自信を持てているのは、ある意味ヤバイな、と。

 これは日本代表に選ばれるようになり、国際試合の経験が増えたことも理由のひとつだと思います。日本代表に行けば試合はもちろん、練習をしていても自然と自分に緊張感が生まれ、『もっと、やらなアカン』とか『まだまだ足りない』と思えるけど、チームに戻るとなかなかそれを感じられなくて。もちろん『代表で感じた経験をチームの練習でも生かそう』とか、『課題に感じたことは、チームで克服しよう』とは思って、練習に臨むんですよ。

 でも正直、去年の後半は、自分が仮にそう思わなくても……つまり、普通にプレーしていてもやれてしまう状況でしたから。少し言い方は悪いけど、そういう”ぬるい”環境でサッカーをしていて成長できるのか、を考えたときに、違うなと。

引用した部分以外では所属チームへの愛や感謝から移籍に悩んだということも語ってくれているが、自身の成長できる環境を選んでいくという考え方が根幹にある。 ガンバ大阪のサポーターの一人としてはずっと居て欲しいが、同時に井手口のファンでもあるため、彼の選択を最大限尊重して、送り出したい。(でも国内に帰ってくる時はガンバにしてね。と思う。)

 

サッカー選手の移籍には、こうしたもの以外にも色々ある。筆者調べで主なものは以下のとおり。


・起用されるポジションを変えたい(サイドバックで起用されるが、FWに拘りたい)
・起用される頻度を変えたい(もっと多くの試合に出たい)
・同僚を変えたい(大クラブに行きたい・優勝を目指せるチームに行きたい)
・金銭的な問題(高く評価してくれるところにいきたい)


サラリーマンで言うと「間接部門に異動になったが、やはり営業のフロントマンとしてやりたい」「大企業の一兵卒ではなく、中小企業でもエースになりたい」「扱う商材を変えたい」「高い給与が欲しい」などがこれらに該当すると言えば共感しやすいだろうか。

 

もちろん、キャリアの選択のうちなので、リスクはある。 例えば移籍した結果逆に活躍の場を失うケースもあるし、数ヶ月で再度移籍することになるケースもある。高い給与を得ても、それに見合わないと判断されて契約が更新されないケースもままある。移籍してきて半年で再度移籍した選手もたくさん見てきた。

 

一方で、選択しない(現状維持)ということを選択したとしても、自身の考えに折り合いをつけなければならなかったり、自身のポジションに生きの良い若手が出てきたり、別の人を補強されたり、ということも当然ある。

 

サラリーマンをしていると、どうしても「就職ではなく就社です」「総合職なので」ということを理由に、会社に言われるがまま、自身のキャリアの下駄を預けてしまう人に出会うことが多く、サッカー選手のように、自身をどうしていくかを考えている上司・同僚に出会えることは中々ない。その割に組織に不満を言う人が多いのも事実で、人事などしていると特によく聞く。

 

結局どう選択しても自分の人生なので、後悔無いように考えていただくのが良いけれど、「他のチームからは声が掛からないんで、僕は今いるチームで言われたポジションをこなすだけです」なんて選手にファンがつきにくいであろうということは想像に難くない。(ミスター○○のような選手も、他チームから声が掛からないからただそのチームに居る訳では無いだろう)

 

もし、キャリアで悩んでいるようなら、自身の好きなスポーツ選手の考え方を参考にしてみるというのも一つかもしれない。その選手がガンバ大阪の選手なら、私は嬉しい。